Blog ・ 商品動画の効果

商品動画は本当に売上に効く?
データと現場から見た「効く動画」の条件

2026.10.27 ・ nanase works
商品動画が売上にどう効くのか、データと制作現場の目線で解説するイメージ

「動画を作るのはいいけれど、正直、本当に売上につながるの?」——ご相談の前に、いちばんよく聞かれる質問です。結論から言うと、商品動画は効きます。ただし「載せれば効く」わけではありません。この記事では、公開されているデータと、商品動画を700本以上作ってきた現場の感覚の両方から、「どんな商品に、どんな動画が効くのか」を正直にお話しします。

まず結論:動画は「迷っている人の背中を押す」ために効く

商品ページにたどり着いたお客様の多くは、「ほぼ買う気はあるけれど、まだ少し不安」という状態です。サイズは合う?使い方は簡単?届いてみたらイメージと違わない?——こうした“最後のひと押し”の不安を、静止画より早く、具体的に解消できるのが動画の強みです。

逆に言えば、そもそも商品ページに人が来ていない、価格が相場から大きく外れている、といった問題は動画では解決しません。動画は「来てくれた人を、買ってくれる人に変える」ための道具だと考えると、期待値がちょうどよくなります。

データで見る、商品動画の効果

「効く」と言うだけでは説得力がないので、公開されている数字もいくつか紹介します。

データ数字出典
動画などを含む「プレミアムA+コンテンツ」を適切に作り込んだ場合の売上向上最大20%Amazon(社内データ)
動画を見て、商品やサービスの購入を決めた経験がある人85%Wyzowl 2026年調査
商品やサービスを知る方法として、短い動画がいちばん良いと答えた人63%Wyzowl 2026年調査

もうひとつ参考になるのが、Amazonが動画広告のクリエイティブ約6万5000本を分析したデータです。成果が上がりやすかった要素として、普段の使用シーンで商品を見せる(背景なしと比べて+16%)、最初の5秒以内に商品を見せる(+8%)、商品の機能をしっかり見せる(+8%)、画面上に読みやすいテキストを入れる(+5%)といった点が挙げられています。

数字を見るときの注意点 Amazonの「最大20%」は上限の数字で、動画単体の効果ではなくA+コンテンツ全体の数字です。動画広告のデータも米国の広告クリエイティブが対象で、商品ページ用の動画とは条件が異なります。Wyzowlの調査も海外の少人数のアンケートです。どれも「必ずこうなる」ではなく、方向性を示す参考値として見てください。

それでも、使用シーン・冒頭の数秒・機能の見せ方・テキストといった要素が効くという傾向は、私が現場で感じてきたこととほぼ一致しています。

動画が効きやすい商品、効きにくい商品

同じ動画でも、商品によって効き方はかなり違います。目安はシンプルで、「写真だけでは伝えきれないことがあるかどうか」です。

効きやすい商品

  1. 使い方・手順がある商品
    キッチンツール、美容家電、組み立て家具など。「これなら自分でも使えそう」と思えるかどうかが購入の分かれ目になります。
  2. サイズ感が伝わりにくい商品
    家具、収納、バッグ、ペット用品など。人や手と一緒に映すだけで、レビューの「思ったより小さかった」を減らせます。
  3. 質感・動きが魅力の商品
    スキンケアのテクスチャー、泡立ち、風量、調理中の湯気など。静止画ではどうしても伝わりきらない部分です。
  4. 他社との違いが「見れば分かる」商品
    吸水力や拭き取りの比較など、機能の差を目で見せられると、文字で説明するよりずっと説得力が出ます。
  5. 価格がやや高めの商品
    失敗したくない気持ちが強いほど、お客様は情報を求めます。動画で不安を減らせると、価格の理由にも納得してもらいやすくなります。

効きにくい(優先度が低い)商品

こうした商品でも動画が無駄になるわけではありませんが、限られた予算なら、先に「効きやすい商品」から作るのがおすすめです。

「効く動画」と「効かない動画」の違い

動画を入れても売上が変わらなかった、というお話を聞くと、多くの場合は動画の“中身”に理由があります。よくあるパターンを並べてみます。

効きにくい
商品をくるくる回して見せるだけ
↓
効く
実際に使っている場面で、使う人の目線から見せる

お客様が知りたいのは「どんな形か」以上に、「自分の暮らしの中でどう使えるか」です。Amazonのデータでも、使用シーンでの紹介がいちばん大きな差になっていました。

効きにくい
冒頭がロゴやイメージ映像で、何の商品か分かるまで時間がかかる
↓
効く
最初の数秒で「何の商品で、何がうれしいのか」が分かる

商品ページの動画は、最後まで見てもらえるとは限りません。最初の数秒で「自分に関係ある」と思ってもらえるかどうかが勝負です。

効きにくい
良いところを全部詰め込んで、結局どれも印象に残らない
↓
効く
伝えるポイントを2〜3個に絞り、ひとつずつ見せ切る

45秒前後の動画で伝えられることは、思っているより多くありません。「この動画を見た人に、何を感じてほしいか」を先に決めておくと、構成がぶれにくくなります。

効きにくい
音を消すと、何を伝えたいのか分からない
↓
効く
音なしでも伝わるよう、短く読みやすいテキストを添える

スマホで音を出さずに見る方も多いので、映像と短いテキストだけで内容が伝わる作りにしておくと安心です。テキストは長い文章より、ひと目で読める短いフレーズのほうが効果的です。

動画を入れたら、確認したい3つのこと

「効いたかどうか」は、感覚ではなく数字で確かめるのがいちばんです。難しい分析は必要ありません。

  1. ユニットセッション率(転換率)
    Amazonならセラーセントラルのビジネスレポートで確認できます。動画を入れる前後で、セールなどの影響が少ない同じくらいの期間を比べてみてください。
  2. レビューや返品理由の中身
    「思ったより小さい」「使い方が分かりにくい」といった声が減っていれば、動画がお客様の期待をちょうどよく合わせてくれているサインです。
  3. 商品についての問い合わせ
    使い方やサイズについての質問が減るのも、動画の分かりやすい効果のひとつです。

もし変化が小さければ、動画の冒頭や、見せているポイントを見直すだけで改善することもあります。作って終わりにせず、数字を見ながら育てていくイメージです。

よくある質問

商品動画を入れると、売上は何%くらい上がりますか?

商品・価格帯・競合・動画の中身によって大きく変わるため、一概には言えません。Amazonは動画を含むプレミアムA+コンテンツで「最大20%」の売上向上を示していますが、これは上限の数字です。動画を入れる前後で、ユニットセッション率などを同じ条件で比べるのがおすすめです。

写真がしっかりしていれば、動画はいらないのでは?

見た目だけで魅力が伝わる商品なら、写真で十分なこともあります。一方で、使い方・サイズ感・質感・動き・音など、静止画では伝わりにくい要素がある商品は、動画を入れる価値が大きいです。

楽天でも動画の効果はありますか?

はい。楽天でも商品ページに動画を掲載できます。「使っているところを見て納得してから買いたい」というお客様の気持ちはモールが違っても同じなので、考え方は共通です。

商品動画は何秒くらいがいいですか?

商品ページ用なら30〜60秒ほどがひとつの目安です。長さよりも大事なのは、冒頭の数秒で「何の商品か」が分かることと、伝えたいポイントを絞ることです。各モールの規格はこちらの記事にまとめています。

最後に、制作の現場から

ご依頼をいただいたとき、私が最初にお聞きするのは「この動画を見た人に、何を感じてほしいですか?」ということです。使いやすさなのか、質感なのか、サイズ感なのか。そこが決まると、撮るべきカットも、冒頭に置くべき場面も、自然と決まっていきます。

動画はたしかに売上につながる力を持っています。でもその力は、映像のきれいさよりも、「お客様の不安にちゃんと答えているか」で決まる——700本作ってきた今、いちばん実感していることです。

「売れる理由」が伝わる商品動画を、一緒に考えます

nanase worksでは、ヒアリングと構成のご提案から、撮影・編集まで一貫して商品動画を制作しています。「うちの商品に動画は効くのかな?」というご相談だけでも大歓迎です。

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